現代では「アロマセラピー」「カラーセラピー」「クリスタルセラピー」などがそれぞれ独立した癒しの手法として知られていますが、古代の人々にとってそれらは“自然の力を借りた統合的な癒し”でした。
その象徴ともいえるのが、紫の癒しの花。 香り・色・薬効を兼ね備えた植物として、時代と地域を超えて人々の心と体を癒してきました。
今回は、芳香ハーブの精油の歴史を紐解きながら、アロマとカラーセラピーの共通ルーツに迫ります。
目次
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1,ラベンダーの起源と古代の活用

ラベンダーは、フランス・スペイン・イタリアなど地中海沿岸を原産とするシソ科の植物。 乾燥した気候と強い日差しの中で育つその姿は、紫色の花と爽やかな香りで人々を魅了してきました。
紫という色は「精神性」「内省」「浄化」を象徴し、ラベンダーの香りと色は古代から人々の心に深く働きかけてきたのです。
古代エジプト:神聖な香り浄化の香草
紀元前3000年頃の古代エジプトでは、紫の芳香植物はミイラ作りの香料として使用されていました。 死者の魂を浄化し、神々の世界へ導く香りとして重宝されたのです。
ツタンカーメン王の墓からもラベンダーを含む香料が発見されており、当時の人々が“香り”に神秘的な力を感じていたことが分かります。
ギリシャ神話では、紫の香り草が「アポロンの神殿」で焚かれていたという記述も。 ローマ時代には、癒しの万能ハーブは薬草・香料・入浴剤として広く使用され、属名「Lavandula」はラテン語の「洗う(lavo)」に由来します。
皇帝ネロは紫の香り湯で心を鎮めたとも言われ、香りと水の癒しはすでに統合されていたのです。
中世ヨーロッパ:修道院の薬草園と貞節の象徴
中世になると、精神安定の香草は修道院の薬草園で栽培され、虫除け・消毒・精神安定のために使われました。 また、清らかな香りは「貞節」の象徴とされ、衣類に香りを移すことで心身を清める習慣も。
この頃の癒しは、香り・色・祈りが一体となった“スピリチュアルなセルフケア”だったのです。
2,世界に広がる芳香ハーブ

16世紀以降、芳香ハーブは香水や料理にも使用されるようになります。 イギリスのエリザベス1世は紫の香りジャムを好んだという逸話も残っており、香りを味覚でも楽しむ文化が生まれました。
また、フランス・プロヴァンス地方では紫の丘が広がり、香水産業の中心地として発展。現在も「グラース」は香水の聖地として知られています。
🧪品種改良と分類
紫の香草は時代とともに品種改良が進み、用途に応じた種類が誕生しました:
| 品種名 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 真正ラベンダー(Lavandula angustifolia) | 柔らかく甘い香り | 精油・スキンケア・リラックス |
| スパイクラベンダー(Lavandula latifolia) | シャープで薬草的な香り | 筋肉痛・呼吸器系のケア |
| ラバンジン(Lavandula × intermedia) | 丈夫で香りが強い | 量産型精油・掃除・虫除け |
それぞれの香りには色彩イメージもあり、 真正ラベンダーは淡い紫、スパイクラベンダーは青みがかった紫、ラバンジンは濃い紫といった印象を持たれます。
3,西洋の芳香植物と日本への伝来

西洋由来の芳香植物がが日本に紹介されたのは、江戸時代の蘭学の隆盛期。 当時の西洋薬物書には「ラーヘンデル(Lavendel)」として記述され、薬草としての効能が注目されていました。
香りや色彩の美しさよりも、薬理的価値が先に認識されたのが日本的な受容の特徴です。
📚江戸時代:蘭学と薬草文化の中での登場
蘭学者たちはオランダ語の薬物書を通じてラベンダーの存在を知り、「ラーヘンデル」として記録。 当時の日本では、紫色は高貴・神聖・禁欲の象徴とされており、ラベンダーの色彩イメージと精神性が一致していた可能性もあります。
🏭明治〜昭和初期:輸入と栽培の始まり
明治時代以降、西洋文化の流入とともにラベンダーの精油や花が輸入されるように。 昭和初期には香料会社が本格的な栽培に着手。昭和12年(1937年)、曽田香料がフランスから種子を入手し、北海道で試験栽培を開始。
この頃から、ラベンダーは「香りの植物」としての認識が広まり、色と香りの両面で注目されるようになります。
🌱昭和23年〜:北海道・上富良野町での委託栽培
戦後の昭和23年、上富良野町で委託栽培が始まり、北海道全域に広がる。 北海道の冷涼な気候と広大な土地は、ラベンダーの栽培に理想的。 紫の花が一面に広がる風景は、日本人の美意識にも強く訴えかけました。
4,富良野とラベンダーの観光化─

1970年代以降、香料としてのラベンダーの需要が減少する中で、富良野のラベンダー畑は観光資源として再注目されます。 テレビドラマ「北の国から」の影響もあり、富良野の紫の丘は全国的に知られるように。
紫のラベンダー畑は、視覚的にも嗅覚的にも「癒しの風景」として定着。 色彩心理学的には、紫は「精神性」「内省」「浄化」を象徴し、観光客に“心を整える場”として受け入れられました。
現在では、観賞用・土産・アロマ製品など多用途で親しまれ、色と香りの統合的な癒しとしてのラベンダー文化が根づいています。
実際に訪れてみたい方は、こちらも参考にどうぞ👇富良野のラベンダー畑|ファーム富田
5,日本各地に広がる紫の風景

北海道がラベンダー栽培の先駆けとなった後、全国各地にもその美しい風景が広がり始めました。
関東近郊で楽しめるラベンダー畑
- たんばらラベンダーパーク(群馬県) 標高1300mの高原に広がる約5万株のラベンダー。紫のグラデーションが空と溶け合うような景観は、色彩の調和を体感できる場所。
- 東京ドイツ村(千葉県) ラベンダーの香りとヨーロッパ風の建築が融合し、紫の花と赤い屋根のコントラストが印象的。色彩文化の違いを感じられるスポット。
軽井沢近く、小諸の「夢ハーベスト農場」の物語
長野県小諸市にある「夢ハーベスト農場」は、ラベンダーを中心とした香りと色の楽園。 開園は1995年。オーナーの想いは「自然の香りと色で、訪れる人の心を整えたい」というもの。
🌿農場のこだわり
- 約100種以上のハーブを栽培し、ラベンダーは真正ラベンダー・ラバンジンなど複数品種を展開
- 紫の濃淡が織りなす畑は、色彩学的にも「グラデーションによる安心感と奥行き」を生み出す
- 香りの強さ・花の高さ・背景の山々との色彩バランスまで計算された景観設計
🚶♀️訪れる人々の声
- 「紫の風景に包まれると、自然と深呼吸したくなる」
- 「香りと色が一体となって、心が静かになる感覚がある」
- 「東京からのアクセスも良く、日常の喧騒から離れて“自分に戻る時間”が持てる」
色彩学では、紫は「境界を越える色」とも言われ、現実と内面、日常と非日常をつなぐ役割を果たします。 夢ハーベスト農場は、まさにその“境界”に立つ癒しの場なのです。
実際に訪れてみたい方は、こちらも参考にどうぞ👇 ▸ 夢ハーベスト農場公式サイト
ラベンダーから広がる癒し

ラベンダーハーブの精油は「万能精油」として知られ、リラックス・安眠・抗菌・鎮痛など多様な効能を持ちます。 その香りは脳の「大脳辺縁系」に直接働きかけ、感情や記憶に作用する──これは色彩が心理に与える影響と非常に似ています。
アロマセラピーとカラーセラピーの共通ルーツ
古代エジプトやギリシャでは、香り・色・石(クリスタル)を組み合わせて癒しを行っていました。 アロマセラピー、カラーセラピー、クリスタルセラピーは元々「自然療法」として一体だったのです。
色彩学的に見れば、香りと色はどちらも「非言語的な感覚刺激」であり、潜在意識に働きかけるツール。 近代になって専門分化されたものの、本質は“感覚を通じて心と体を整える”ことに変わりはありません。
自宅でできる紫の香りの活用法
- アロマバス:ラベンダー精油を湯船に数滴。紫のバスソルトと組み合わせることで、鎮静効果が高まる
- アロマスプレー:空間に香りを広げることで、紫のイメージと香りがリンクし、安心感を演出
- トリートメント:ラベンダーオイルでセルフマッサージ。紫のタオルや照明を使うと、内省・浄化の効果が引き出される
まとめ

紫の香りに包まれながら、私たちはただ「いい匂い」と感じているだけではありません。 その香りには、古代から続く浄化・安らぎ・精神性の象徴が込められており、紫という色彩と深く結びついているのです。
色彩学の視点で見れば、香りと色はどちらも「感覚を通じて心に働きかけるツール」。 そして、現代のカラーセラピーは、こうした歴史的背景を受け継ぎながら、“今の自分”を見つめるための実践的な方法として進化しています。
ラベンダーの香りに包まれながら、紫のボトルを選んだ自分に気づく── それは、心が“今ここ”に戻ろうとしているサインなのかもしれません。
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